よもぎ蒸しとは、よもぎを煎じた蒸気で下半身を蒸す民間療法のこと。美容や健康に良いとされ、幅広い世代の女性から人気を集めています。
そんな大注目のよもぎ蒸しには、女性に嬉しい効果がたくさん!そこで、よもぎ蒸しに期待できる具体的な効果についてご紹介いたします。
よもぎ蒸しとは
よもぎ蒸しとは、乾燥させたよもぎやハーブを蒸し器(蒸し鍋)で煮立て、発生させた蒸気で下半身を蒸すというもの。中国や韓国での歴史が深く、民間療法や産後ケアとして広まってきました。
日本でも取り入れられるようになってからは、冷えを感じやすい方をはじめ、多くの女性から人気を集めています。
よもぎは「ハーブの女王」
そもそも、なぜよもぎが体にいいとされているのでしょうか。
よもぎにはとても多くの栄養素が含まれており、昔から薬草として活用されてきました。ヨーロッパでは「ハーブの女王」と呼ばれるほど、栄養価が高く重宝されているものなんです。
そんなよもぎに含まれている栄養素は、カルシウム・鉄・カリウムなどのミネラルや、各ビタミン類、βカロテン、クロロフィル、タンパク質、食物繊維など、挙げ始めるとキリがないほど。肌に良いと有名なビタミンCも含まれています。
中でも注目したいのが、よもぎの主成分であるクロロフィルというもの。食物繊維よりも小さな成分で、体の細かい部分にまで入り込み、有害物質や毒素を排出してくれます。また、血液の巡りをサポートする、殺菌するなどの作用も認められている、まさにスペシャルな成分なんです。
なんでよもぎ“蒸し”がいいの?
前述の通り、よもぎにはミネラルやビタミンといった体に良い成分がたくさん含まれています。食事で摂取しても良いものですが、よもぎ蒸しで体内に吸収することにはどのような理由があるのでしょうか。
体が温まる
よもぎ蒸しをする際は衣類をすべて脱ぎ、専用のマントとタオルをかぶります。さらに真ん中に穴が空いたよもぎ蒸し専用のイスに座り、イスの下にある蒸し器からよもぎを蒸した蒸気を煮立たせ、皮膚や膣から蒸気を吸収するのが基本の方法です。
その体勢でよもぎ蒸しを行っていると、蒸気がマントの中に充満して体がポカポカに。
さらに、蒸気を膣から取り入れて体の内側から温まることで、冷え性の軽減や血流のサポートに繋がります。
よもぎの成分を効率的に吸収できる
膣の皮膚は吸収率がすごく高いことをご存知でしょうか。腕の内側の皮膚と比べると、吸収率はなんと42倍 (*1) にものぼります。
そのため、蒸し器からの蒸気を膣から取り入れるよもぎ蒸しは、よもぎの成分を体内に取り入れるのにとても効率的。よもぎの持つ栄養素を、体内にしっかりと吸収できる方法なんです。
汗をかく
よもぎ蒸し中は、じっと座っているだけでもたっぷりと汗をかくことができます。汗と同時に老廃物も排出され、デトックス効果を感じられることでしょう。
汗には“良い汗”と“悪い汗”があると言われています。
良い汗とは水に近いサラサラとしたもので、蒸発しやすいため体温調節しやすいのが特徴です。
一方悪い汗とは、ベタベタしていて蒸発しにくく、体温調節に向いていません。体に必要な成分を失いやすいため、発汗しすぎると疲労感を感じてしまいます。
よもぎ蒸しによって流れる汗は、前者である“良い汗”です。よもぎ蒸しを続けるほど汗腺が鍛えられ、良い汗をたくさんかけるようになります。
さらに、汗をかくという行為にはリフレッシュ効果も期待できます。たっぷり汗をかいて、日頃のストレスも一緒に流してしまいましょう。
よもぎ蒸しに期待できる効果は?
では、よもぎ蒸しでよもぎの成分を体内に吸収したり、体を温めたりすることで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは8つの効果をご紹介いたします。
1.生理痛・生理不順に
たとえば生理痛の原因の一つに、体の冷えが挙げられます。体が冷えて血行が悪くなると、子宮を収縮させる物質が分泌され、生理時の痛みを引き起こしてしまうと言われています。よもぎ蒸しは、そんな生理痛を和らげるのに効果的な方法の一つ。体を温めることで、生理痛に悪影響を与える物質の分泌を抑えてくれることでしょう。
また、よもぎ蒸しは膣から蒸気を取り入れるため、婦人科系のトラブルにより効果が高いとされています。よもぎに含まれている栄養素が、子宮周りをしっかりとサポートしてくれるため、女性特有の悩みを抱えている方におすすめしたい療法です。
生理時のよもぎ蒸しは衛生的にあまりおすすめできませんが、生理前に取り入れることで、生理痛や生理不順への効果が期待できるでしょう。
2.妊活
婦人科系の疾患に効果があるとされるよもぎ蒸しですが、妊活も例外ではありません。
妊活中の体にとって、冷えは禁物。卵子の育ちが悪くなったり、受精卵が着床しにくくなったりと、妊娠しやすい環境づくりの妨げになってしまいます。(*2)
よもぎ蒸しには、体内からしっかりと体を温めてくれる効果があります。さらに子宮の老廃物をデトックスしてくれる効果も期待できるなど、妊活中の女性の体をしっかりとサポートしてくれるんです。
1点気をつけたいのが、高温期の対応について。高温期に代謝が良くなりすぎると、着床しにくくなる可能性があります。排卵前のタイミングでよもぎ蒸しを行い、排卵日後はお休みするというサイクルを心がけましょう。
3.産後のケアに
韓国では、昔から産後ケアとして取り入れられてきたよもぎ蒸し。日本でも産後ママさんから人気を集めています。
よもぎ蒸しは子宮や膣を収縮させ、卵巣の機能を元に戻すためのサポートをしてくれる民間療法です。また、血流をサポートすることで、乳腺炎などのトラブルを防いだり、老廃物を排出したりといった効果も。リラックス効果で、産後の疲れた体を癒してくれるという面も大事なメリットの一つです。
産後によもぎ蒸しを取り入れたい場合は、悪露(おろ)が落ち着いてからがおすすめ。心配な方は医師に確認した上で利用するようにしましょう。
4.冷え性のケアに
冷えは万病の元。冷え性を患っているだけで、体への負担は少なくありません。
よもぎ蒸しは体を内側から温めてくれるというもの。冷え性のケアにはとても効果が高いとされています。
また、よもぎに含まれる成分にクロロフィルというものがあります。クロロフィルは血流をサポートしてくれるため、温熱効果も感じられることでしょう。
5.デトックス
よもぎ蒸しではたっぷりと汗をかくことができるため、体内に滞っていた毒素や老廃物も一緒に排出されます。よもぎに含まれる血流サポート効果も、デトックスに一役買ってくれることでしょう。
また、よもぎは利尿作用も期待できる薬草です。汗で流しきれなかった老廃物は尿として排出されるため、優れたデトックス効果が期待できます。
6.リラックス
よもぎにはシネオールという香りの成分が含まれています。シネオールには、交感神経の働きを抑えて副交感神経の働きを整える、イライラを抑制する、睡眠を促すなど、リラックスにまつわるメリットがたくさん。よもぎ蒸し中の香りを通して、気持ちをスーッと落ち着かせることができるでしょう。
よもぎ蒸し中はスマホやタブレットを触ることもできますが、ぜひ静かに目を閉じるなどして、積極的に心や目を休めてみてください。日頃のストレスが緩和され、よりリラックスした時間を過ごせるはずです。
7.肌荒れへのアプローチ
よもぎには、シネオールやビタミンCをはじめとする美容成分がたっぷり含まれています。そんなよもぎを蒸した蒸気を膣の皮膚から取り入れることで、肌にもしっかりと行き渡り、美肌を目指すことができるんです。
肌は細胞を定期的に生まれ変わらせることによって、古い細胞を排出しています。この働きをターンオーバーといい、ターンオーバーが乱るとさまざまな肌トラブルの原因になってしまうんです。
よもぎ蒸しには、体を温めることで代謝や巡りをサポートする効果があります。代謝や血液の流れが良くなると、肌のターンオーバーも正常なものへと近づき、肌トラブル軽減に役立ちます。
8.更年期のお悩みに
更年期症状の中には、ホットフラッシュや多汗といったものも挙げられます。体の中でうまく体温や自律神経が調節できず、顔が熱くなったり、汗が止まらなくなってしまうというものです。
よもぎ蒸しで下半身から温めることによって、体は体温調節をうまくできるようになっていきます。そうして何度かよもぎ蒸しを続けていくと、だんだんとホットフラッシュや多汗の症状が緩和していくことが期待できるんです。
また、よもぎに含まれている香りの成分には、自律神経を整えてくれる効果も。更年期に現れやすいイライラを抑え、心を落ち着けてくれることでしょう。
よもぎ蒸しが行える場所
よもぎ蒸しを取り入れるには、サロンに通う方法と自宅で行う方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身に合った方法で取り入れていきましょう。
サロンに通う
サロンに通うメリットは、とにかく楽であるということ。準備や片付けはすべてスタッフが行うため、身一つでサロンに向かうだけでよもぎ蒸しを受けることができます。
また、空間デザインやよもぎのブレンドにこだわっているサロンも多く、贅沢な体験ができることもメリットの一つでしょう。
デメリットは、手間とお金がかかるという点です。よもぎ蒸しは何度も行うことでより効果を感じられるものなのですが、通う度に予約やサロンへの往復に時間が取られてしまいます。また、通うとなると毎回数千円程度の出費があるため、自宅で行うよりも費用は割高に。通えば通うほど、自宅の方がお得に感じられることでしょう。
自宅で行う
自宅で行うことの大きなメリットは、いつでも気軽にできるということ。サロンだと時間を確保した上で予約して通わなければなりませんが、自宅であれば隙間時間でもサクッと行うことが可能です。
身支度が必要ないため、起きたままの姿でできてしまうのも手軽で嬉しいですよね。
さらに、サロンで行うよりもかなりコスパが良いため、お金をあまり気にすることなく続けられることも大きなメリット。使う材料にもよりますが、1回数百円で行うことも可能です。
デメリットは、準備や片付け、収納に手間がかかるという部分。そこまで大掛かりな準備は必要ありませんが、サロンに比べると少し面倒に感じる方もいることでしょう。自宅用のよもぎ蒸しセットはさまざまな種類が発売されているため、手間を減らしたい方は比較的簡単に使用できるものを基準に選ぶといいかもしれませんね。
さいごに
よもぎ蒸しに期待できる効果はとても幅広く、美容や健康をあらゆる側面からサポートしてくれます。また、香りや温かさで心の健康をサポートしてくれるという一面も。リラックスしたい時にも積極的に取り入れたい方法です。
続けるほど効果が出やすくなるものですので、できれば継続した利用がおすすめ。サロンに通うのが難しい場合は、自宅によもぎ蒸しセットを取り入れてみるといいでしょう。
体に何かしらの不調を抱えている方や、癒しの時間を過ごしたい方は、ぜひよもぎ蒸しを体験してみてくださいね。
*1 出典:日本は後進国?正しいデリケートゾーンケアを始めよう(https://racine-official.jp/pages/delicate_zone_care)
*2 出典:【漢方医監修】妊活を始めるならまず温活!温めるべきは「下半身」(https://jp.rohto.com/learn-more/womenshealth/pregnancy/column/warm/)